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低音活動記

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「響け!ユーフォニアム」のこと~5

ユーフォニアム担当の石田です。

引き続き、「劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~」ネタ。

劇場版響け!第3週フォトセッション

第3週、フォトセッションの画像です(晴香部長、他人のスカーフで鼻水を拭かないように!)。

来場者プレゼントの「イラストコースター」6種類をコンプリートしました!(また後日、画像アップします)。

さて、いくつかの感想と考察を。

・あすか、コンクールの練習に来るのが飛び飛びになり、ついには来なくなる。あすかが、晴香と香織に、もう自分は全国大会には出ない、と話しているのを久美子が隣の部屋で聞く。その日の昼休み、久美子はあすかを教室まで行って校舎裏に呼び出し、全国大会に出るよう説得する。あすかは久美子がそう言ってくれて嬉しいと言う。そこに葵が、全国模試のことで先生が呼んでいると告げる・・・。さて、あすかは本当に全国大会に出ることを諦めていたのだろうか。久美子に説得されてから、模試の成績でもって母親に話をつけようと思ったのだろうか。実はこれが、あまりはっきりしない。

特に劇場版のほうでは、模試の結果を受け取ってからあすかが戻ってくるまでの期間が短く、知恵の働くあすかなら、最初からそのように考え、模試に向けた勉強を完璧に行っていたのではないか、とも思えるのだ。しかし、そうすると、なぜ(当初は、迷惑をかけないと言っていたにも関わらず)、晴香と香織に、全国大会に出ないことを告げたのだろうか。おそらく家に帰ると母親がすごい剣幕で怒るなどして、吹奏楽を諦めざるを得ない状況にあったのだろう。

全国大会に出て父親に自分の姿を見てもらいたい。自分の演奏する音を聴かせたい。しかしそれができない状況に追い込まれている。あすかが久美子を自宅に誘い、いろいろと事情を話したのは、もう自分は全国大会に出ない、ということを示したのではないだろうか。久美子に事情を知ってもらい、自分が全国大会に出られない事情を納得してもらいたかったのかもしれない。

しかし、久美子はそうは思わなかった。お姉ちゃんが自分の決めた道を貫かなかった結果を見ているので、あすかには同じ道を歩んでほしくなかった。今、下す決断が将来、どのような結果に至るかを、久美子は知っていた。だから久美子は理知的に物事を決めるあすかに、感情的にぶつかっていった。それはあすかの感情を揺り動かした。それほど久美子は熱かったのだ。

・あすかの幼い頃、あすかの父が「響け!ユーフォニアム」という曲をノートに書き、楽器(ユーフォニアム)とともにあすかに贈った。あすかはユーフォに親しみ、練習中に「響け!ユーフォニアム」という曲を吹いていた。久美子はそれをよく聴いていた。久美子があすかの家に行ったとき、あすかはこの曲のいきさつを教えてくれた。あすかは、「この曲を黄前ちゃんに否定してもらいたいのかもしれない」と言う。卒業式の日、あすかは久美子に父からもらったノートを渡し、「こんどは黄前ちゃんがこの曲を後輩に聴かせてあげてほしい」と伝える。

あすかにとっては、父の思い出がなく、父から受け取ったものと言えばユーフォニアムであり、「響け!ユーフォニアム」という曲だった。あすかは幼い頃からずっと父の面影を追っていた。父に自分の思いを届けたかった(おそらく、あすかは父に連絡を取ることを母親から禁じられていた)。あすかにとって全国大会は、自分の思いを父に届けられる初めてのチャンスだったのだ。

コンクール終了後、あすかは滝先生を通じて父親からのメッセージを受け取る。あすかの思いは確実に父親に届いた。だから、あすかは、これを期に父親への思いを断ち切ろうとしたのだ。ノートを久美子に渡し、もう自分は父親の面影を追うことはしないと自分に宣言をしたのだろう。

卒業式の日、久美子を前にしても、いつものように飄々と振舞うあすか。しかし、久美子はそんなあすかの胸の内を知っていた。だからこそ久美子はあすかと別れることが辛かった。あのいつも明るい性格のあすかが、実はこんな思いを秘めてユーフォを吹いていたのだ。あすかの温かい、でも少し物憂げなユーフォの音は、あすかの心情を映していたのだと久美子は理解したのである。

・ラストシーン、水管橋の下であすかが「響け!ユーフォニアム」を吹き、久美子が目を瞑って聴き入る。そして、二人は互いにこれまでに見せたことのなかった無邪気な笑顔を見せ合うのである(TV版のオープニングに出てきたシーンでもある)。あすかが本当に心を開いた相手は久美子だけだったのだ。幼少期の自分のこと、母親や父親のことを話したのも久美子だけだった。同級生である香織や晴香にも見せなかった本心と素顔。久美子には見せられる魅力があったのだろう。あすかが言う久美子の「ユーフォっぽさ」がそれだったのかもしれない。


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